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顧問弁護士(法律顧問)のメモ的なブログです。残業代請求、サービス残業、解雇問題に注力しています。
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顧問弁護士(法律顧問)としてよく受ける問いについてまとめていきます。今回は、競業避止義務についてです。

この点について、フィセコ・ジャパン・リミティッド事件において、奈良地裁は、以下のように判断しています。

一般に雇用関係において、その就職に際して、或いは在職中において、本件特約のような退職後における競業避止義務をも含むような特約が結ばれることはしばしば行われることであるが、被用者に対し、退職後特定の職業につくことを禁ずるいわゆる競業禁止の特約は経済的弱者である被用者から生計の道を奪い、その生存をおびやかす虞れがあると同時に被用者の職業選択の自由を制限し、又競争の制限による不当な独占の発生する虞れ等を伴うからその特約締結につき合理的な事情の存在することの立証がないときは一応営業の自由に対する干渉とみなされ、特にその特約が単に競争者の排除、抑制を目的とする場合には、公序良俗に反し無効であることは明らかである。従って被用者は、雇用中、様々の経験により、多くの知識・技能を修得することがあるが、これらが当時の同一業種の営業において普遍的なものである場合、即ち、被用者が他の使用者のもとにあっても同様に修得できるであろう一般的知識・技能を獲得したに止まる場合には、それらは被用者の一種の主観的財産を構成するのであってそのような知識・技能は被用者は雇用終了後大いにこれを活用して差しつかえなく、これを禁ずることは単純な競争の制限に他ならず被用者の職業選択の自由を不当に制限するものであって公序良俗に反するというべきである。
 しかしながら、当該使用者のみが有する特殊な知識は使用者にとり一種の客観的財産であり、他人に譲渡しうる価値を有する点において右に述べた一般的知識・技能と全く性質を異にするものであり、これらはいわゆる営業上の秘密として営業の自由とならんで共に保護されるべき法益というべく、そのため一定の範囲において被用者の競業を禁ずる特約を結ぶことは十分合理性があるものと言うべきである。このような営業上の秘密としては、顧客等の人的関係、製品製造上の材料、製法等に関する技術的秘密等が考えられ、企業の性質により重点の置かれ方が異なるが、現代社会のように高度に工業化した社会においては、技術的秘密の財産的価値は極めて大きいものがあり従って保護の必要性も大きいと考えられる。即ち技術的進歩、改革は一つには特許権・実用新案権等の無体財産権として保護されるが、これらの権利の周辺には特許権等の権利の内容にまではとり入れられない様々の技術的秘密ーノウハウなどーが存在し、現実には両者相俟って活用されているというのが実情である。従ってこのような技術的秘密の開発・改良にも企業は大きな努力を払っているものであって、右のような技術的秘密は当該企業の重要な財産を構成するのである。従って右のような技術的秘密を保護するために当該使用者の営業の秘密を知り得る立場にある者、たとえば技術の中枢部にタッチする職員に秘密保持義務を負わせ、又右秘密保持義務を実質的に担保するために退職後における一定期間、競業避止義務を負わせることは適法・有効と解するのを相当とする。

労働契約終了後の競業避止特約の有効要件については、①使用者の正当な利益、②労働者の在職中の地位や職務内容、③競業禁止の期間や地域の範囲、④労働者のキャリア形成の経緯、⑤労働者の背信性、⑥代償措置などを総合的に考慮して有効性を判断する枠組みが裁判例において定着しています。

これらについて、ご不明な点がありましたら、顧問弁護士(法律顧問)にお問い合わせください。労働者の方で、不払いの残業代など法律問題でお悩みの方も、弁護士にご相談ください。なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代請求、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です)。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。
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