顧問弁護士(法律顧問)のメモ的なブログです。残業代請求、サービス残業、解雇問題に注力しています。
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P R
本ブログでは、時間外労働・深夜労働について触れている裁判例を紹介しています(つづき)。
三 以上の事実に鑑みるに、被告の勤務表では休憩時間の定めがあるけれども、一人勤務という勤務形態から警備員が警備員室を離れることは事実上できないものとなっていることが認められる。被告は、休憩が可能なように主張するが、昼食時間中であっても、警備委託先の従業員が交替することとなっていることからみて、立哨や巡回などのときを除いて警備員が警備員室を離れることは予定されていないというべきである。労働基準法上の休憩といえるためには、労働から完全に解放された時間であることを要するから、警備員室という持ち場を離れることができず、休憩時間中に訪問者があればその応対をすることとなっている以上これを休憩時間ということはできない。
次に、被告の勤務表では、午前〇時から午前四時までの四時間が休憩時間となっているが、現実には、午前一時に巡回があり、二勤の従業員の退社時間の関係で午前二時ころまでは仮眠をとることはできない状況にあり、また、仮眠時間においても、外部からの電話は仮眠室に繋がっていること、機械警備等の警報が発報した場合には、事故の確認その他の指示を受けることとなっていること、残業した従業員の退出を管理する業務があることからすると、この時間帯も労働から完全に解放された時間ということはできない。
以上によれば、被告において、休憩時間ということができるのは、昼食時間、夕食時間など現実に自己のために費消した時間だけというべきであって、その時間は一勤務において一時間程度といわざるを得ない。そうであれば、原告は一就労日について三時間の深夜を除く時間外労働(残業)と、四時間の深夜労働(残業)を行ったものというべきである。
四 時間外賃金の単価については、日によって定められた賃金は、その金額を所定労働時間数で除したものであるから、原告については、一万二六二〇円を一六で除して得た七八八円(一円未満切り下げ)となる。
被告は、賃金は、時間外及び深夜勤務(残業)手当(残業代)を含めて一日あたり一万二六二〇円であった旨主張するところ、被告の就業規則二四条五項は、「日給制の特別臨時社員、臨時社員の賃金については、各勤務場所の各勤務表に応じ、また業務ならびに職種に応じて日額とし、時間外労働(残業)手当及び深夜労働(残業)手当を含めて各人ごとに定める」と規定していることが認められる。しかし、被告が定める勤務時間割(別紙二)は、午前九時から翌朝の午前九時までのうち、実労働を一六時間、休憩時間を八時間と定めているのであって、一日あたり一万二六二〇円の賃金は、右一六時間の労働に対する賃金というべきであり、右一六時間に加えて時間外労働(残業)を行ってもこれに対する賃金を支払わないことが労働基準法上許されるはずもない。
そこで、被告は、原告に対し、一就労日について、三時間の深夜を除く時間外労働(残業)については一時間あたり九八五円の割増賃金(残業代)と、四時間の深夜労働(残業)については一時間あたり一一八二円の割増賃金(残業代)を支払う義務があり、その額は、一就労日について合計七六八三円となる(九八五×三+一一八二×四)。そして、原告の全就労日は二七一日であるから、右就労に対する未払割増賃金(残業代)額は二〇八万二〇九三円となる。
また、所定内労働時間についても週四〇時間を超えるものは、時間外労働(残業)というべきであるから、これに割増賃金(残業代)を支払うべきは当然である。労働基準法の制限を超える就労時間を定めて、その賃金が時間外割増賃金(残業代)を含むものと就業規則に規定したり、また、労働者と同意しても、それは労働基準法を潜脱するものであって許されず、効力を認めることはできない。そこで、週四〇時間を超える労働時間について、一時間あたり一九七円の支払義務があり、その額は、別紙一のG欄記載のとおり、二四万八八一一円となる。
五 被告は、告知義務違反、信義則違反を主張するが、原告が在勤中に時間外手当(残業代)の請求をしなかったからといって、告知義務違反となったり、信義則違反となるものではないし、本件全証拠を検討しても、原告の時間外賃金請求を信義則違反としなければならない事情はない。
六 また、被告は、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金請求権について時効を援用するが、賃金の支払は、警備員から毎月一日と一五日ころに各半月分ごとの賃金の請求を受けて支払われているから、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金の支払日は、同月一五日以降であったと推認される。そうであれば、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金請求権についての時効の起算日は同月一五日以降であるから、被告の時効の主張は理由がない。
七 以上によれば、被告は原告に対し、二三三万〇九〇四円及びこれに対する平成一二年五月一二日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員の支払をすべき義務がある。被告は、仮執行の免脱宣言を求めるが、相当でないからこれを付さない。
企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、企業法務に強い顧問弁護士にご相談ください。その他にも、個人の方で、交通事故、解雇、原状回復義務・敷金返還請求や借金の返済、ご家族の逮捕などの刑事弁護士の事件、遺言相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
三 以上の事実に鑑みるに、被告の勤務表では休憩時間の定めがあるけれども、一人勤務という勤務形態から警備員が警備員室を離れることは事実上できないものとなっていることが認められる。被告は、休憩が可能なように主張するが、昼食時間中であっても、警備委託先の従業員が交替することとなっていることからみて、立哨や巡回などのときを除いて警備員が警備員室を離れることは予定されていないというべきである。労働基準法上の休憩といえるためには、労働から完全に解放された時間であることを要するから、警備員室という持ち場を離れることができず、休憩時間中に訪問者があればその応対をすることとなっている以上これを休憩時間ということはできない。
次に、被告の勤務表では、午前〇時から午前四時までの四時間が休憩時間となっているが、現実には、午前一時に巡回があり、二勤の従業員の退社時間の関係で午前二時ころまでは仮眠をとることはできない状況にあり、また、仮眠時間においても、外部からの電話は仮眠室に繋がっていること、機械警備等の警報が発報した場合には、事故の確認その他の指示を受けることとなっていること、残業した従業員の退出を管理する業務があることからすると、この時間帯も労働から完全に解放された時間ということはできない。
以上によれば、被告において、休憩時間ということができるのは、昼食時間、夕食時間など現実に自己のために費消した時間だけというべきであって、その時間は一勤務において一時間程度といわざるを得ない。そうであれば、原告は一就労日について三時間の深夜を除く時間外労働(残業)と、四時間の深夜労働(残業)を行ったものというべきである。
四 時間外賃金の単価については、日によって定められた賃金は、その金額を所定労働時間数で除したものであるから、原告については、一万二六二〇円を一六で除して得た七八八円(一円未満切り下げ)となる。
被告は、賃金は、時間外及び深夜勤務(残業)手当(残業代)を含めて一日あたり一万二六二〇円であった旨主張するところ、被告の就業規則二四条五項は、「日給制の特別臨時社員、臨時社員の賃金については、各勤務場所の各勤務表に応じ、また業務ならびに職種に応じて日額とし、時間外労働(残業)手当及び深夜労働(残業)手当を含めて各人ごとに定める」と規定していることが認められる。しかし、被告が定める勤務時間割(別紙二)は、午前九時から翌朝の午前九時までのうち、実労働を一六時間、休憩時間を八時間と定めているのであって、一日あたり一万二六二〇円の賃金は、右一六時間の労働に対する賃金というべきであり、右一六時間に加えて時間外労働(残業)を行ってもこれに対する賃金を支払わないことが労働基準法上許されるはずもない。
そこで、被告は、原告に対し、一就労日について、三時間の深夜を除く時間外労働(残業)については一時間あたり九八五円の割増賃金(残業代)と、四時間の深夜労働(残業)については一時間あたり一一八二円の割増賃金(残業代)を支払う義務があり、その額は、一就労日について合計七六八三円となる(九八五×三+一一八二×四)。そして、原告の全就労日は二七一日であるから、右就労に対する未払割増賃金(残業代)額は二〇八万二〇九三円となる。
また、所定内労働時間についても週四〇時間を超えるものは、時間外労働(残業)というべきであるから、これに割増賃金(残業代)を支払うべきは当然である。労働基準法の制限を超える就労時間を定めて、その賃金が時間外割増賃金(残業代)を含むものと就業規則に規定したり、また、労働者と同意しても、それは労働基準法を潜脱するものであって許されず、効力を認めることはできない。そこで、週四〇時間を超える労働時間について、一時間あたり一九七円の支払義務があり、その額は、別紙一のG欄記載のとおり、二四万八八一一円となる。
五 被告は、告知義務違反、信義則違反を主張するが、原告が在勤中に時間外手当(残業代)の請求をしなかったからといって、告知義務違反となったり、信義則違反となるものではないし、本件全証拠を検討しても、原告の時間外賃金請求を信義則違反としなければならない事情はない。
六 また、被告は、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金請求権について時効を援用するが、賃金の支払は、警備員から毎月一日と一五日ころに各半月分ごとの賃金の請求を受けて支払われているから、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金の支払日は、同月一五日以降であったと推認される。そうであれば、平成九年一二月一日から同月一四日までの賃金請求権についての時効の起算日は同月一五日以降であるから、被告の時効の主張は理由がない。
七 以上によれば、被告は原告に対し、二三三万〇九〇四円及びこれに対する平成一二年五月一二日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員の支払をすべき義務がある。被告は、仮執行の免脱宣言を求めるが、相当でないからこれを付さない。
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